やる気アップ本「役割分担」編

「私にできて
あなたにできないこと

あなたにできて
私にはできないこと

それがいくつも集まって
この店がある

自分一人だけじゃ
到底生まれないものが
でき上がる

だから仕事は面白いですね」

これは最近ハマって読んでいる漫画に出てくる、私的名言の一つです。
今回は、読むと元気になるお仕事漫画をご紹介します。

————————–
『Artiste(アルティスト)』
さもえど太郎 著

※新潮社
『月刊コミックバンチ』と、コミックバンチwebで連載中
※単行本は2023年1月現在8巻まで発売中
————————–

舞台はパリのレストラン。
主人公はちょっと行き過ぎ?レベル位に気が弱い、料理人の青年・ジルベール。

でも、料理人として生きていく上でかなり重要な能力が突出して優れています。
その能力のせいで周囲から気味悪がられて幼い頃から嫌な思いをしてきたために、驚くほど後ろ向きで気弱。

料理がしたい、料理が好きという気持ちはありながら、雑用係として皿洗いなどをして働いていました。

そんな彼の日常が、陽気な新人・マルコとの出会いで変わっていきます。
一見チャランポランに見えるマルコは観察眼が鋭く、ジルベールの良いところや才能に気づいてくれます。

皿洗い・雑用係だったジルベールは才能を活かせる職場に転職。
いきなり副料理長という立場に…。

ここから人生大逆転!
主人公が能力を生かして大活躍し始める…と急になるわけがなく。

一緒に働く厨房の仲間たちは一風変わった、とっつきにくい癖が強いメンバーたち。
人とのコミュニケーションが苦手なジルベールはどう壁を乗り越えていくのか?
というストーリー。

この漫画の魅力は…

—————
・気弱な主人公が癖が強いメンバーたちと人間関係を作り上げていく過程が感動的。
主人公が成功していく物語にありそうな
「経験は無いが自信と実力はあって、鼻っ柱が強いタイプ」
でなく気弱で控えめな設定なのもあってか、応援せずにはいられない。

・愛せないキャラクターがいない!
癖が強いメンバーたちの人となりを知ると、全員好きになれてしまうほど。
それくらい人物描写が丁寧にされている。

・職場だけじゃない!癖が強いご近所さんたち。
主人公が転職に伴い引っ越す「一芸入居」のアパルトマン。

そのアパルトマンの住人は一芸入居のハードルをパスしただけあって、それぞれが「Artiste(アルティスト)」。
画家、バイオリニスト、歌手、SF作家、振付師、日本人の漫画家など専門分野も年代も様々な個性が強いメンバーが勢ぞろい。

その一人ひとりに順番にスポットが当たり、そこに至るまでの背景が語られると全てに感情移入してしまう。

・職場でも、アパルトマンでも、各Artiste(アルティスト)はそれぞれの専門分野に敬意を持って接する人しか出て来ない。
お互いがお互いを理解しようと努力し、自分に無いものを学んで自分の糧にする人ばかり。
—————

と数え上げればキリがないくらいにあります。

ドラマや映画で出会ったことがあるような設定ながら、主人公の職場とプライベートどちらにおいても、絡んでくる人物が多種多様で飽きがきません。
心底嫌な人物が出てくることもなく優しい世界なのも心地良い。

冒頭で紹介したセリフは職場でのことを言っていますが、アパルトマンパートを読んでいると

「私にできて
あなたにできないこと

あなたにできて
私にはできないこと

それがいくつも集まって
この世界がある」
と思えてきます。

癒しが欲しいママに。
そして、これからお仕事を探そうと思っているママ、今働いているママにも活力を与えてくれると思います。

他者の良いところをたくさん見つけてみよう、今置かれている環境で自分が一番力を発揮出来ることは何だろうと思わせてくれますので、今後仕事をしていこうと考えているママには本当におすすめ。

単行本は電子書籍としても販売されていますし、漫画アプリでも配信されていますよ~。

※関連コラム
良かったら読んでみてくださいね♪
⇒自分にしか出来ない仕事
⇒それぞれの良いところ
⇒やるきアップ本「片付け」編