『びりっかすの神さま』ママにもオススメの児童書

私は、子供からのオススメ本はなるべく読むようにしています。
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たまに、
これはお母さんにも読んで欲しい
「これ読んでみて!」
と、持って来られるんです。

子供って、好きなものや自分が凄い!と思うものを見せたがりますよねー。

自分が描いた絵が上手く仕上がったとき。
あやとりが上手に出来たとき。

家でテレビを見ていたり、YouTube等の動画を見ていて気になるものがあったとき。
外出中も、何度
「見て!」
「こっち来て!」
と呼ばれることか…一度数えてみたいほどです。

見て見て攻撃、ちょっと大変な時もありますが可愛いものですよね。

なので、そんな風にすすめてくるほど、この子の心をとらえた何かがあるのかと思うと読んでみたくなります。

そんな中、最近すすめられて読んだのが

『びりっかすの神さま』(岡田 淳著)
という本です。

「読む前にタイトルから想像してた内容と全然違った!」
と言って満足そうでした。
大人の私が読んでも楽しいお話だったので、今日はこちらの本の紹介をさせてください。

まず、親子共々、タイトルから想像していたのは「昔話」。

実際には違っていて、小学生の男の子が主人公で、設定は現代のお話です。
ファンタジーでもあります。
本が好きな子なら、小学校2年生くらいから読めてしまう内容かと思います!

とある理由で転校生となった始。
転入したクラスの担任の先生は、競争させてみんなに頑張らせるのが好きな先生でした。
テスト、体育、読書、そうじ…忘れ物の回数までカードやグラフで競争

給食も、食べるのが遅いといい顔はしない…。

家庭の事情で、母親から
「…ひとに勝つことが、がんばるっていうことだったら(…中略…)あなたに、がんばってほしくなんかないのよ。
と言われている始が、そんなクラスに転入しました。

始は教室で凄い発見をします。
その発見は始に楽しい毎日と、仲間をつくるきっかけになりました。

楽しい状態を続けるために、本気で頑張ることを放棄する始。
本気で頑張ってしまうと、夢は消えてしまうのです。

そんな始のまわりに増えていく仲間たち。

「クラスで一番を取る!」
の正反対のことをみんなでやる毎日。

そして、始はクラスメイトの良いところに気づいたり、適当に発せられた
「がんばれ」と
心からの
「がんばれ!」
の違いに気づいたりしながら成長していきます。

そもそも最初から、みんなにどんなに馬鹿にされても自分の軸がしっかりあり、実は勉強も運動も出来るというキャラクター。

この本を読む子供たちは、そんな主人公目線で進むお話を爽快な気分で読み進められるのではないかと想像します。

最初に友達になる子と心を通わせる場面も秀逸でした。
ウチの娘が一番心に残ったと言っていた場面です。

「この子はいいことを言ったと思う。」
と言っていました。

最終的に、クラスのみんなで運動会で一番を取り、学級会で話し合い、競争をさせるのが好きな先生と話し合いの場を持つことにまでなっていきます。

こんな風にみんなで、大人の目から離れたところで子ども同士が本気で自分たちで考え、成長してくれたら素敵だなと思わされる世界でした。

親子そろって読み終わったあと、
「この子のこういうところが良かった。」
等と色々話せるくらいに登場人物たちの個性も描かれています。

我が子とのお喋りも楽しめました。

そういえば、
「この本、小学校の先生にも読んで欲しいね。」
なんて子供と話しながら著者について調べてみたら、なんと図工専任教師として小学校に勤務していたご経歴のある方でした。

教室での出来事の描写が見事なのはそのおかげなのでしょうか。
他の著書も評判の良いものばかりなので、読んでみようかな♪

機会があったら、ぜひママたちにも読んでみて欲しいです。
我が子がどの部分に興味を持つか、どんな場面が気に入るか等、とっても興味深いですよ!