先日、積極的に「脳を休ませてあげるためのぼーっとタイム」を取っているというお話をさせていただきました。
(⇒該当コラムはこちら「まずはぼーっとしてから」)
その後、「ぼーっと」することでどんな良いことがあるのか、ぼーっとした後にスッキリ気持ち良いと感じられるのはどうしてなのか少々調べてみました。
調べてみて分かったことは、
●ぼーっとしている時間のほうが、脳の活動が盛んになる
●ぼーっとしている時の脳内では「デフォルト・モード・ネットワーク(脳が意識的な活動をしていないときに活性化する神経回路)」が活発に働いて、いろんな処理を行っている。端的に言うと、情報の整理をしている。
●「デフォルト・モード・ネットワーク」の働きが弱いと脳内で情報が整理されず、ぐちゃぐちゃに散らかったデスクのような「脳過労」状態に。
●脳が意識的な活動をしていない時に、自動的に行っているそのような情報の整理等の処理に脳を集中させることが、「脳を休ませる」ということ。
●厳密に言うと、脳はいかなるときも完全に休むことはない。
例えば睡眠中にも情報を整理して記憶に定着させるなどの働きをしている。
無意識下で活性化する脳の働きが、こんなに大切な役割を持っていたんですね!
現代人の脳を疲れさせる原因として、ブルーライトや過剰な情報がまず挙げられます。
スマートフォンの普及により、テレビやラジオを介さずとも最新情報が次々と通知されます。
ニュース、ショップからのお得情報、天気アプリからの雨雲情報、SNSのメッセージ受信。
何かあるたびに感情が揺れ動き、脳は疲れていくそうです。
そもそも、脳は、キャパシティの90%を視覚情報の処理で使っていて、スマホ、パソコン、ゲーム、テレビなどの視覚情報を酷使する娯楽は、ものすごく脳に負担をかけるんですって。
仕事の休憩時間にゆったりとスマホを見て…という過ごし方は、休んでいるようで脳にとっては全く休息になっておらず、疲れが溜まっていくということ!
何かアイディアを出さなければいけない時、大事なことを考え、決めないといけない時などは必要な連絡事項(幼稚園や学校から何か来ていないかな?とか)の確認以外はスマホ画面から意識を遠ざけておきましょう。
1点を見つめてぼーっとしたり、少し外を散歩したり。
職場の人たちとおしゃべりを楽しんだり。
その方が脳が休まり、午後のパフォーマンスは上がるということですね。
意外だったのは、読書はリラックス効果があり、強い光が出ていないため刺激も弱いということ。(ちなみに寝る前のリラックスタイムの読書も、害にはならないと考えて良さそうです。)
よーし「デフォルト・モード・ネットワーク」を思いっきり活性化させないと!
と意気込む前に、注意点もあります。
「デフォルト・モード・ネットワーク」が活性化しすぎると、頭がぼんやりして注意力が散漫になるんだとか。
それに、余計なことを考えすぎて、不安にさいなまれることも。
というのも、「デフォルト・モード・ネットワーク」のエネルギー消費量は、脳の全エネルギー消費の60~80%を占めるとも言われているから。
活性化させ過ぎると、とことんエネルギーを奪われてしまうそうなんです。
例えば、お休みの日などに一日中ぼーっとしていると脳が休まるどころか疲れてしまう恐れがあるということ。
なんだろう、そういうの、何か身に覚えがありません??
ここでおすすめなのが、日本語で「積極的休養」と訳されるアクティブレストという過ごし方。
自分が「やりたい!」「楽しい!」と思えることをすること。
身体は疲れたとしても、精神的には完全にリフレッシュでき、脳を休ませることに繋がります。
我が夫は休みの日には出かけたい派。
それも、適度に自宅から離れたところまでドライブしたがります。
移動だけで片道1時間以上もかけて、疲れの上塗りになるだけじゃない?
と聞いてみるとそんなことはないと。
運転が好きだし、家でダラダラしている方が疲れが取れた気がしないとよく言っています。
まあ、確かに
「そんなとこまで行かなくても楽しく過ごせるところあるよ~」
等と言いながらも一緒に出掛けて普段目にしない景色を見たり、近所の公園には無いような遊具で楽しそうに遊ぶ子供の姿を見たりして、帰ってくると、
「あ~楽しかったね」
と心から言えて、「疲れが取れた」感覚が確かにあります。
なので、自分も出かけるのが好きなんだなぁと思ったり。
家で映画観てるのが幸せ!
無心で掃除するのが大好き!
等々、そういったことが楽しくて好きならそういう過ごし方ももちろん有り!!
ダラダラ、ぼーっと…もし過ぎてはいけないんですね!
ということで、「脳を休ませてあげるためのぼーっとタイム」の後に感じていた、
「なんだか思考がクリアになった気がする!」
という感覚は、脳内で情報が整理されて本当にクリアになっていたんだなということが分かりました。
疲れ切っているのにアクティブに出かけたがる夫の休日の過ごし方も、理にかなっていたんだなってことも♪
(参考)
PRESIDENT Online:3分で改善! 脳の疲労解消でパフォーマンスを上げる
新R25:スマホを触るのが一番ダメ。精神科医が教えてくれた、脳に効く「いいダラダラ」
マイナビニュース:「脳を休ませれば人生が変わる」。パフォーマンスUPのための積極的休養のすすめ /脳神経外科医・菅原道仁
StudyHacker:たまには脳だって休みたい。疲れた脳を回復させる “ぼーっとする” 3つの方法。
StudyHacker:DMNとは? 創造力を高め、脳疲労を防ぐために知っておくべき9つのこと
NIKKEI STYLE ヘルスUP:いつもスマホが招く脳過労 物忘れが増えたら要注意