子供が「まずはやってみた」話

魚を与えるより魚の釣り方を教える親でありたいと思っているものの、その場を乗り切るのが精一杯でついついお魚をあげて終わってしまうことの何と多いことか…。

とにかく慌ただしい子育て中の日々。

先日も「やり方を教える」という記事(⇒こちら)の中でどうせなら魚釣りを教えることに時間を割いていきましょう、みたいな事を言っていましたが、実際頑張り続けるにはパワーが要ります。

そんな中、私って「やり方を教える」ということに構えすぎているのかな?
と思わされる事がありました。

私は、何かを始めるにあたっては事前に基礎知識を頭に入れ、ある程度理解してから手を付けたいと思ってしまうタイプなんです。
「まずはやってみる!」と思えるのは得意なこと、最初からこれは上手くできそうと思えることだけ。

自己啓発本、ビジネス書なんかにもよく書いてありますよね、「まずはやってみる人が成功する」とか。「仕事ができる人はとりあえずやってみることができる人」とか。
何でもそう思える人が羨ましい!と常々思っていたのですが…。

今まで散々近くにいた我が子の「まずはやってみた」に驚かされました。

在宅で仕事中、急に「お裁縫がしたいな~」と我が子。
当然、「急に言われてもムリ!」
だって小学校中学年、家庭科は未習だし今まで針も使ったことなどないんだから。

母の助け無しに出来る気がしない!
「お母さん家にいるけど、今一応仕事中だって分かる?仕事終わってからならいいよ」
(↑今まで何百回言ったか分からないセリフ)

でも、どうしてもやりたかったんでしょうね。
勝手に私のソーイングセットを出してきて、針に糸を通している!
そこにたまたま入っていたハギレを使い何か作ると言い出しました。

その後裁ちばさみのみ出してあげて、使い方を説明。母が仕事に没頭している間に、なんと「猫のマスコット用の洋服」が完成!!!
2時間以上は作業に没頭していました。

「おかあさーん、この猫ちゃんの服できたよ」
「へ~、すごいねー。え?服??
この時の作品がこちらです!

波縫いもしたことがなかったのに。
何より玉結び・玉止めも知らないんですよ?
すごーい。びっくり。

そして腕を通す穴のために切り落とした布はポケットにしてみたんだ。と。
クリエイティブ!エクセレント!(親バカお許しください)

「でも、糸を引っ張ると抜けちゃうんだよね。」
そりゃそうだ玉結びしてないからね。

それで「初めての縫い物」で服を作ろうと思える勢いが羨ましいぞーーー!

このケース、今の私に当てはめてみたら…。
・ネットでチラチラ「裁縫の基本」とか調べちゃう
・フムフム…玉結びねー、まずこれ出来ないとダメね
だいたい分かったわ~。今日はこれくらいにして、今度縫ってみよう!
「今度」がなかなか訪れず、次第にイライラ
・「裁縫したい!」あの熱い思いが薄れていく

大人になると、こうなってしまっている方多いのではないでしょうか。
何とも勿体ないことですね。
こうして文章にしてみたら、痛いところを突かれている感じが…。

さて、裁縫をまずはやってみた結果。
我が子は次の課題や疑問点を自ら見出したわけです。

・玉結びはやっぱり覚えないと
・布の繊維がほどけてポロポロ落ちてしまうのはどうして?
・波縫いをもっとキレイに見えるようにするにはどうしたら良いか

次はこれらの課題を踏まえて、一つずつ技を教えていくことになりました。

一度自ら体験し、何が思ったより上手くいって何が上手くいかなかったのかを身体で覚えている状態。
これはラーニングカーブ(学習曲線)の立ち上がりを早くすると言われています。
(こちらについてはまた、別の機会にお話します♪)

まさに「百聞は一見に如かず」。

そして、子供をもう少し信用して、まずはやりたいようにやらせてみるって事も大切だなと思いました。
せっかくの「やってみたい!」という気持ちに蓋をしてしまうところでした。

今回は、針に糸を通す様子を見ていて、大ケガはなさそうだなと思えたのであとは任せてみました。
子供の好奇心から「やり方を教える」必要性が出てきた場合には、「まずはやらせてみる」方式で教えるのが効率が良さそうです。

何より、やりたい情熱を持続させることができました!