先日、10代の若者が一つのテーマでトークを戦わせる、かつて人気を博したTV番組が16年ぶりに復活して放送されていました。
たまたま娘が興味を持ち、録画をしておいて欲しいというので録画。
後日娘が観ている時に、私もながら見で少しの間観ました。
トークテーマは、
「“好きなことを仕事にすべき”っていう風潮、おかしくない?」
でした。
「好きを仕事に」
というフレーズは最近よく耳にするようになりましたよね。
YouTuberやインフルエンサーがひとつの職業と認知され始めてからでしょうか?
それに真っ向から反論する立ち位置。
大人目線だと、
「ああなるほど」
と思えるテーマです。
しかしスタジオの出演者たちの中で
「おかしくない?」
と主張する側の意見の方はお1人だけ。
彼の意見はずっと誰とも合わずにいたようでしたが、私は、
「うんうん、分かる。」
と思いながら聞いてました。
高校生や大学生くらいの年齢で、誰もが好きな事、やりたい事がはっきりと決まっているわけではないでしょう。
そして、決まっていないことは悪ではないはず。
さらに、彼はその位の年齢で既に進む道を定めて頑張っている人を否定しているわけでもなかった。
好きな事がなかなか見つからないとき。
仕事にしたいほど「好きな事」を探すというその目的のために苦労し、時間をかける必要が必ずしもあるのか。
「好きな事」とまでは言えないけれども、手っ取り早くこれと思う仕事にまず就いて、好きな事は仕事とは関係ないところでやっても良いのでは?
という主張をしていたかと思われます。
彼はそれ以外にも、人からジャッジされたくない、レッテルを貼られるのが嫌等の主張が色々あり、それが他の出演者からの理解を得にくくしていたように見えましたが、
「“好きなことを仕事にすべき”っていう風潮、おかしくない?」
という主張は素直に納得できるなと私は感じました。
(あ、あくまでもながら観でちょっと聞こえてきたところのみの感想です!
最初から最後まできちんと観ていないので、全部観た方、もし私が変な事言ってたらすみません。)
さて、これらのトークを真剣に見ていた小4の娘。
途中で観るのをやめていました。
理由を聞くと、
「色々不安な気持ちになって来ちゃったから、今日はここまでにしてまた観たくなったら続きを観るね。」
とのこと。
続きは、ちゃんと観たいから消さないで欲しいと言っています。
どうして不安な気持ちになったのかも聞いてみました。
ざっくりとまとめると、
・大きくなったらこんな風に真剣に考えないといけないんだ。
・お金のこと、自分はちゃんと出来るのかな。
・世界情勢のことも心配になってきた(そんな話題が出て来たんですかね??)
そんなことが頭の中をぐるぐるとまわって、思わず再生を止めたんだそうです。
最近、円が安くなっているとかウクライナのニュースとか。
「これはどういうこと?」
と聞かれるので簡単に説明したりする機会もあり、私の説明を聞いた結果
「何か、怖い。不安になる…」
と言っていたこともあったので、そのせいもあったかもしれません。
でも、こういうコンテンツに触れて、自分なりに何かを思い、葛藤するのは良いことだなあと思います。
そもそも、自分からこれを観たいと言ってきたことも驚きでした。
ひとまず、私が観ていた範囲だけでしか言えないけど、と前置きをしたうえで、
「もし、好きな事がなかなか見つからなかったり、やりたい事が決まらなかったとしてもそれは大丈夫だよ。それが悪いことではないよ。」
ということは伝えました。
でも、「好き」「楽しい」と思えることは何なのかはたまに考えさせて、自覚を促す働きかけはしていきたいと思っています。
今は、まだまだ何者にもなれるという思いでいてくれてよい。
というのが私の考えです。
「やっていて楽しいと思える事は大事にするといいよ、何かある?」
と聞くと、いくつか答えがかえってきます。
そういえば、2020年の連続テレビ小説(所謂朝ドラ)『エール』で主人公の恩師が
「得意なものは何だ」
と問いかけるというエピソードがありました。
その後、主人公の「得意なもの」に気づいた瞬間の先生のセリフが素敵でした。
「…見つかったんじゃないか。
人よりほんの少し努力するのが辛くなくて、ほんの少し簡単にできること。
それがお前の得意なものだ。」
「好きな事」のみならず、「得意なもの」という視点もあっていいですよね。
好きで、得意なら言う事なしでしょう。
でも、「好きな事」って、必ずしも得意だとは限らないというのもまた現実…。
そこがイコールではないんだという挫折をする方もいますよね。
それもまた人生。
とにかく、もし絵に描いたような、「将来の夢」のお手本のような夢がなかなか見つからなくてもプレッシャーに感じることはないと安心させてあげたいです。
時間を忘れるほど楽しそうにやっていることはいくつかあるから。
運動は苦手な方ながら、何故かボルダリング遊具は意外に上手かったり。
もしかして本人自覚無いけど、向いてるのでは?と思うことも。
ダンスがとっても上手いのに球技がダメとか、走るのはそんなに早くないけどバレーボール上手いとか、そういう人もいますよね。
あ、ここに適性があるんだろうな~。
なんて思いながら、色々チャレンジする我が子を微笑ましく見守る日々です。