記憶の引き出しを開ける鍵

数日前に、
「バッグの中から20年前の家族の思い出の品が出てきた」
という、Twitterユーザーさんの投稿がネットニュースサイトに取り上げられていました。

昔使用していたバッグを処分しようと中を探ると、20年以上前にお母さんと妹さんと3人で映画館に『千と千尋の神隠し』を観に行った時の入場券が出てきた。捨てられない…という内容の投稿でした。

投稿はたくさん拡散されたようなので、Twitter経由でご覧になった方もいるかもしれないですね。

私はネットニュースのほうで見て、
「あー、そういう時の気持ち、分かるわー
なんて思っていました。

今日は片付けるぞー!
と意気込んでいたのに、思いがけないものが出てきて見入ってしまったり、物思いに耽ってしまいそこから時間が止まってしまうパターン、ありますよねー。

しかし止まっていたのは自分だけで、作業が進まないまま時間だけが過ぎたときに、
「あれ、こんな時間!」
となってしまったり。
そんな時の気持ちとちょっと似ていると思いました。

そういうのって、たまには楽しいものです。そして、そのニュースという形で配信された記事のほうで

「断捨離もほどほどがいいと思います
記憶がよみがえるのは、そこに物があるから、視界に入るから… 略

記憶という引き出しはありますが、それを開けてくれるきっかけ、鍵みたいなものがないとあかずの間になってしまいがち… 後略」

というコメントを寄せている方がいて、とても共感してしまいました。
まさに、私も記憶の引き出しを開けた体験をしたばかりだったんです。

年末年始に久しぶりに実家に顔を出した時に、かつて私が使っていた部屋を見たいと娘が言うので、
「もう物置きみたいになってて散らかってるからやめてよ~」
と母が制するのを振り切って2人で見に行きました。

娘は私が小学生時代から実家で暮らしていた25歳くらいまでの間長年愛用していた勉強机に目を輝かせています。

持ち主を前にして、だいぶ遠慮なくあちこち引き出しを開けていく娘。
そしたら、出てくる出てくる…時間を止めそうな物たちが次々と。

これは友達が一人旅したときのお土産だ。
これは形がキレイで好きだから、ここに飾っておいたんだった。

あ!これは小さいときにお父さんが買ってくれたオルゴール。

何度か行った整理整頓の際にも残して来たものは、どうしてとっておいたのか、なんとなく分かりました。

とにかく好きだから。
可愛いから。
形が気に入っているから。
大好きな友達がくれたものだから。
親が買ってくれて、その時とても嬉しかったから。

色々な理由があって、とっておこうと思ったものたち。
「これはとっておかなくちゃ」
と考えて引き出しにしまったり、机の上に飾った時の気持ちが蘇ってくるのがすごい!

こんな風に、私が楽しんでいるのは分かるとして…。
我が娘は、色褪せた謎の小物、今も使えるのかも分からないもの…。
「なんでこんなものに??」
と不思議になってしまうようなものに、ものすごく食いついていたのが面白かったです。

ちょっとした宝探しを親子で楽しめました。

まさに、私が大切にとっておいたものが
「記憶という引き出しを開けてくれた」おかげで、楽しい時間を過ごせました。

基本的に不要になったものは次々に捨てていきたいとは思っています。

だけど、収納の仕方やとっておく量に自分なりのルールを作って「思い出箱」みたいな感じでとっておいたら後々また楽しく振り返れること間違いなしですよね!

特に子供がまだまだ小さい時にくれた数々のプレゼントは、工夫すればさほどかさばらずにとっておけそうだし、これからも大事に持っていようと思っています。

プレゼントの写真

覚えたての字で綴られた手紙。
お化粧する私を見て作ってくれた折り紙のコンパクト。
検査で病院に行くことになり不安がっていた私にくれた「ゆう気守り」。

今でも、たまに見ると心がぽかぽかして笑顔になれる宝物ですが、時が経つともっと愛おしく感じられるでしょう。
貰った時の嬉しい気持ちもしっかり閉じ込められていて、見ると思い出せる。

今回話題になったTwitterユーザーさんのケースは、意図的にとっておいたのではなく、たまたま出てきたからこその感動もあったとは思います。

でも、思い出の品をずっと大切に持っているのも素敵なことだなと気付かせていただいたので、将来のために色々仕込んじゃおうかなと思ったのでした。

娘よ、将来また私の持ち物で宝探ししていいよ♪