これからする話は、あくまでも我が家でこんなことがあったよ、ていう話です。
こういう時こうしたらいいと思うよ、みたいなことではないです。
こんなパターンもあるんだね、くらいのスタンスで読んでもらえたら嬉しいです。
慣れない環境が苦手な子が不安で押しつぶされそうになってたけど、少しずつ元気を取り戻し始めたという話です。
娘がこの4月から中学生になりました。
そして早速壁にぶち当たりました。
1月ごろに行った中学校の見学会はとても楽しそうで、その見学会の前も、見学後もずっと「中学校に行くのが楽しみ!」と言っていたのに…。
入学式を終え、登校初日から目に涙を溜めて帰って来たんです。
「別に特に何か嫌な事があった訳じゃないんだけど、何か明日から行くのが怖くなっちゃった…」と一言言って、堰を切ったようにわんわん泣いている。
そうかそうか、とハグしてなだめながらも気の済むまで泣いてもらって。
改めて話を聞くと、
・とにかく何でこんなに泣きたくなるのか自分でも分からない
・嫌な人がいたわけではない
・誰かに嫌な事言われたりされたりしたわけでもない
・先生が苦手なわけでもない
・とにかく学校に行くのが不安、怖い
・小学校に戻りたい
とのこと。
その翌朝も、行くのが怖いと泣きました。
途中まで一緒に行く?とか、車で送ろうかとか色々提案しましたがそういうのはいい、と言って最終的には一人で歩いていく娘。
登校4回目くらいまで泣きながら頑張って登校し、帰宅したらまた泣いてました。
私は不登校についての情報や、不登校の原因、中学生くらいの年頃の子が泣きたくなる理由、環境が大きく変わった時に現れやすい心と身体の反応などについて調べてみました。
色々な情報に触れ、我が子の状態に一番近そうなのは「不安症」というものかな?
…等と思っていた矢先。
ある日突然、明るい声の
「ただいま~♪」
が玄関に響きました。
あれ?なんか今日元気。嬉しい~!
母「今日はどうして楽しそうなの?」
子「今日はちょっと冒険してきたからね~」
母「??」
なんでも、その日は体育の授業があって、体育の時間に頭を使わず身体動かしてたら急に元気になってきたと。
そして、その気分は帰りまで続いてて、散歩をしたくなったんだって。
申請してる通学路から少し逸れて、途中から慣れ親しんだ懐かしい小学校時代の通学路を通って帰宅してきたらそれが楽しかったと言うのです。
川沿いの道を歩いたり、散歩を楽しむ人たちを眺めたりしながらちょっと遠回り。
それが楽しくて元気が出て来たそう。
子「私散歩が好きかもしれない!」
通学路から逸れた道を通るのは自己責任ということで。
とにかく気分が上向きになったならよかったよかった。
今日はいい日だったねと言い合いました。
自分の機嫌を取る方法を一つ発見したんだから。
とっても素敵なことですよね。
別の日には帰宅して素早く宿題を終わらせて、近くのスーパーのあたりまでちょっと歩いてくる、と出かけていきました。
この一連を見ていて思ったこと、それは…ほんと今さらですが、運動って人間に必要なことなんだなぁってこと。
ウチの子は運動は苦手なほうで、外遊びも小学校高学年にもなるとしなくなってました。
業間休みは本を読んだり絵を描いているほうが楽しいタイプ。
体育の授業にも意味を見出していなかったのですが、今は体育の授業も自分には必要なものだと思うようになってます。
運動をすると、「幸せホルモン」とも呼ばれるセロトニンと、鎮痛効果やリラックス効果のあるエンドルフィンと呼ばれる2つのホルモンが分泌されます。
精神を安定させる働きがある「セロトニン」と、分泌されるとリラックス効果で高揚感や満足感を感じられる「エンドルフィン」のおかげでポジティブな気分になったり前向きで明るい気持ちになれたのでしょうか。
また、運動はストレス発散にも作用していて、ストレスの原因になるホルモンの分泌を減少させるのです。
そして、ウォーキングやジョギング、ダンス等の反復動作のある「リズム運動」と言われる運動が精神の安定にはおすすめだそう。
今回、我が子は小学校が懐かしくて、小学校時代に見てた景色を見たくて通学路を逸れて歩いてみたことが、たまたま色々な意味で良い作用を自分にもたらしてくれたみたい。
5月になって、まだ涙がこぼれてしまう日もあります。
でも、一つ武器を手に入れられた。これは大きい。
中学校は「知らない人ばかりがたくさんいる知らない場所、ていう感じがして怖い」っていうけど、小学校だって最初はそうでした。
なのに、小学校はみんな知ってる子ばかりだったからよかったと言います。
どうやって?いつから「知ってる場所」になったのかな。その過程があったはずです。
中学校もきっと少しずつ「知ってる場所」になっていくと期待しているし、散歩と体育の授業以外にも、気分を上げるための何かが見つかるといいなと思っています。