人は自分のためよりも誰かのためのほうが頑張れる。
なんて言う方もいますが、はたして本当にそうかなぁ。
と私は長年思っていました。
でも、最近は「これは自分だけのためなら頑張ろうとは思わないかもしれない」と思う事があったり、子どもが出来てからは「子どものためなら何でも頑張れる」
と思うことも増えてきています。
そんな私が、明らかに自分ではない誰かから力をもらえたな、と思えたことが仕事でありました。
産後、こちらの会社に来る前の職場でのことです。
自分にとって後輩となるスタッフさんが入社してきました。
Aさんとしておきます。
まだお子さんは小さくて、その時の就業を機に保育園に預けることになったそう。きっと大変だろうなー、最初はお子さんの体調不良などでお休みすることも多くなるかな、と想像しました。
その時はウチの子もまだ幼かったですが既に幼稚園にも慣れ、母が働く生活パターンにも慣れ、そこまで頻繁に体調を崩すということも無くなっていました。
過去の自分の経験も思い出して、Aさんにはお子さんのことで何かあった時に肩身の狭い思いをさせないようにしようって思いました。
いざ、業務を教えながらの日々が始まると、自分にもまだそこまでの心の余裕が生まれていたわけでもないって気づきました。
結構大変かも~!!
でもそこは、周りの方々のおかげもあって追いつめられる事もなく、良い雰囲気でやれていたと思います。
そんな中、Aさんのお子さんの体調不良ラッシュがやってきます。
月に1回同じ時期にしか発生しない、けれども重要な業務の時に休みが重なり、数ヶ月間その業務を習得できない事態になりました。
それでも、皆でカバーできる環境だったのもあり、私も含め誰も気にしてはいませんでした。
しかしAさん本人はとても申し訳なさそうにしていて、
「来月その時期は実家の両親に家に来てもらうことにしました」と!
だから何があっても次回は出勤します!
早く覚えたいんです、皆さまよろしくお願いします!
と言うのです。
ええっそれだけのだめにご両親を??
無理し過ぎじゃない?そこまでしなくても大丈夫だよーーー。
と伝えたのですが、ちょっと感動もしてしまったんです。
私自身自分にも幼い子がいて、毎日それなりにいっぱいいっぱいで、教えながら進めると業務の進捗はいつも通りではなくて。
結構パワー使うな、いつもより疲れるな…て思ってはいました。
その上Aさんはお休みが続いて気落ちしてしまっているようにも見える。
心折れてしまっているんじゃないかな、どうやって気持ちを上向きにしてあげればいいんだろ。
そもそも私もどうやって気力保てばいいの??
等々…いろいろな気持ちを心の中で渦巻かせていたところでした。
でもAさんは私なんかが思っているよりも強くて、仕事にもこんなに前向きだった。今まで教えてきたこともちゃんと響いていました。
そこまで思ってくれるなんて嬉しいな、これは私もきっちり頑張らないと!
何より、気持ちに応えたい、ってその時ものすごく思ったんです。
雲が晴れていくような感じがしました。
子どものためになら頑張れる!
ていうのとはまた違う「誰かのために頑張れる」と思った経験の一つです。
ちなみに、今幼い子をかかえて働いているママさんにそこまでしなさいよ、て言いたい話ではないのでそこは勘違いされないでくださいねー!!
単に私がAさんにパワーをもらって、頑張る気力をめちゃくちゃ引き出されたっていういい話として聞いてください。
誰かのために頑張れた事例。
誰かのために、というよりも誰かのおかげで、という感じですかね。
そんな私は、最近読んだ本だったか漫画だったか…ちょっと忘れてしまったのですが、
「頭の中に思い浮かべられる人がたくさんいる人は強い」
という言葉に目を留めました。
子ども、パートナー、親、友達。
一緒に働く仲間、先輩、上司、後輩。
面接で自分を推してくれた人事の方。
いつも助けてくれるママ友…自分の周りの人を思い浮かべるとき、こんな感情湧いてきません?
子どもが笑顔でいられるように頑張りたい、何でも助けてあげたいという気持ち。
この子の前ではこんな母親でいたいっていうこだわり。
あの人の助けになりたい、チームに貢献したい、職場の戦力になりたいっていう気持ち。
あの上司、先輩、後輩にはこういう人物像に見られたい。
あの友人の前ではこんな自分でいたいっていう意地やプライド。
物理的に守りたい、助けになりたい、でも、承認欲求でも意地でもプライドでもどんな形でもいいんですが、誰かを思い浮かべて力が湧いてくるってことは確かにあるなー、と納得してしまいました。
私なりに、誰かのために頑張れるっていうのはこういうことかなって思いました。出会いやご縁は大切にしたいですね。